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代表 有留 修

カンボジア学生鹿児島訪問記 第一部:霧島


本年(2018年)3月28日から31日までの3泊4日の日程で、当会の支援しているカンボジアの大学生一行が鹿児島を訪れ、当地の自然や食、歴史遺産に触れるとともにさまざまな人との出会いを通して日本、そして鹿児島について理解を深めていきました。

今回来日したのはプノンペン王立大学とプノンペン国際大学でITや観光、経営を学んでいる4名の大学生(プラス、彼らを支援している現地NGO、カンボジア子ども基金の担当者1名)。一昨年秋から鹿児島県肝付町在住の益山ご夫妻の支援を受けている学生たちで、無事2年次に進級できた「ご褒美」として同夫妻が日本に招待したものです。

以前アメリカで研修に参加した一人を除く全員にとって今回が初めての海外旅行。上記NGOの支援を受けて貧しい環境を脱し、大学生となった彼らにとっては文字通り「夢のような旅」です。実際、来日してから学生たちにたずねたところ、「日本にいけることを親は誇りに思ってくれている」と話してくれたのが印象的でした。

鹿児島空港では上海からの到着便が遅れたほか、入国手続きに多少手間取ったために予定時間をかなり遅れての出迎えとなりましたが、その後は空港のある霧島市内の名所を訪問、硫黄谷噴気地帯や丸尾滝、そして霧島神宮を見てまわりました。幸い、いたるところで満開の桜と遭遇、彼らはその美しい姿を盛んに写真におさめていました。

硫黄谷噴気地帯で地球の生のエネルギーに触れる学生たち

丸尾滝にて

ちなみにこの桜については彼らに次のように説明しました。「日本人にとって桜は特別な意味を持つ花です。その大きな理由が、桜のはかなさといえるでしょう。昔から日本は自然災害に悩まされ、いつ何時災害が起きて命を失うとも限りません。ですから、咲いてはすぐに散ってしまう桜の花に命のはかなさを見てとるのです」

霧島神宮にて

さらに霧島神宮では日本の宗教について少し学んでもらいました。神道と仏教の違いやその二つが共存している点。そして、ときと場合によって二つを使い分ける日本人独特の宗教観などについて解説しました。

この場所で君たちは何を感じてくれたのかな

夢が叶いますように

みんないい笑顔!

それから鹿児島市内のホテルに向かい、チェックインした後、市内天文館の食事処で豚しゃぶを中心とした日本食を味わってもらいました。事前の連絡では訪日前にプノンペン市内の日本食レストランで日本食をトライし、刺し身も含めてなんでも食べられるとの報告がきていました。しかし、実際には2名ほどが刺し身を苦手としていることが判明。暑い国、カンボジアで生まれ育った彼らには生魚はちょっと苦手なようです。

さらに彼らの食べっぷりを見ていて感じたのが、全体的に食が細いということ。最初は日本食が苦手だからあまり食べないのかな、と思っていたのですが、途中ではたと気づいたことがありました。それは、彼らの日常的な食事です。つまり、普段それほど豊かな食生活をしていない彼らにとって突然のご馳走は彼らの小さな胃袋にとって負担が大きいということです。たずねるのは少々失礼だと思い、その点を彼らに確認する機会はありませんでしたが、おそらくそうした要因が関係していたのではないでしょうか。

本場の日本料理はいかが?

遠慮せずにたくさん食べてね

食事をしながらの自己紹介の際、もう一つわかったことがありました。それは、彼ら全員がいわゆる夜学生のため、出発当日は終日働いた後に深夜便に乗ってやってきたということです。ですから空港で出迎えた際にあまり元気そうでない学生がいたのも無理からぬことだったのです。

夜の天文館にて

おそらく、そうした仕事疲れに加えて、初めての日本旅行ということで機内でもあまり眠れなかったのでしょう。ですので、その日の夜は早めに宿に戻ってもらい、十分な睡眠をとってもらうことで元気を回復して翌日からの活動に臨んでもらうことにしたのでした。

第二部に続く


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