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代表 有留 修

カンボジア学生鹿児島訪問記 第三部:肝付


3日目のスタートは肝付町内にある歴史遺産の一つである道隆寺跡を訪れました。ここは鎌倉の建長寺を創建した南宋の禅僧、蘭渓道隆が鎌倉に渡る前につくった日本最初の禅寺だといわれるところで、学生たちは当時の日本と中国の交流について短く解説を受けました。

満開の桜の下で記念撮影

蘭渓道隆の銅像の前にて

そして次がこの日のハイライトである内之浦のロケット基地(宇宙空間観測所)の訪問です。残念ながら建物の中は見学できませんでしたが、広大な基地内をめぐりロケットの発射台やパラボラアンテナなどを見学した後、宇宙科学資料館に立ち寄り、日本のロケット開発の歴史について少し学んだのでした。

みんな明るい未来に向かってはばたけ!

日本の最先端技術の一端に触れる学生たち

その後、地元の日本料理店で昼食をとったあと、鹿屋市内の介護施設を訪問しました。狙いは、日本にとって大きな課題のひとつである高齢化の問題について、その現状を学んでもらうことです。

現在、国民の大半が30歳未満というカンボジアにとっては文字通り、縁遠いテーマだといえるでしょう。しかし、いずれは直面しなければならない問題であり、いわばカンボジアの近未来である日本の今を彼らに見てもらうことで、来るべき未来に備えてもらおうと考えたのです。

刺し身が続いたので今日は唐揚げ定食でした(^0^;

同施設では身体に障がいを抱えている人たちと話し合いの場を設けてもらいました。学生たちはサービスの利用料や政府からの支援などについて具体的な質問を投げかける一方、そうしたサービスがほとんどないカンボジアの現状について語り、いずれはそれが必要になるだろうとの考えを抱いているようでした。

日本の介護制度について学ぶ学生たち

次に彼らが向かったのはグラウンドゴルフ場。ホスト役である益山ご夫妻が肝付町のグラウンドゴルフ協会の会長を務めている関係から実現した活動です。最初は戸惑いながらプレイしていた学生たちですが、若いだけあってすぐにコツをつかんだようで、地元の高齢者に交じって初めてのグラウンドゴルフを大いに楽しんだ様子でした。

グラウンドゴルフに初挑戦!

なかなか筋がいいね

楽しめているようです

早いものでその日の夜が学生たちにとって最後の夜。送別会の場所は益山ご夫妻の自宅です。手づくりの料理で心のこもったおもてなしを受ける一方、さまざまなお土産を受け取ったほか、学生たちには思いがけないサプライズが待ち受けていました。着物の試着です。全員が益山ご夫妻から着物を着せてもらったのです。これには一同感激。みんなお似合いです。結局その夜は午後10時過ぎまで益山邸にて楽しいひとときを過ごしたのでした。

手づくりの料理でおもてなし

お手伝い

ワラでできた馬をプレゼントされました

折り紙にも挑戦

凛々しい着物姿!

生涯忘れられない夜になったことでしょう

翌31日は、いよいよ帰国日です。朝早く宿を出発して向かったのは都城市内の観音池。桜の名所として知られたところです。幸いなことに今回の滞在中、学生たちはさまざまなところで満開の桜を愛でる機会に恵まれ、非常にラッキーでした。

なかでもこの観音池の桜には特に感動した様子です。おそらく彼らの心の中に日本での特別な印象としてこの桜が刻み込まれたことでしょう。

桜に囲まれてはしゃぐ学生たち

その後鹿児島空港に着いてからは、日本での最後の食事として空港内のレストランでうどんなどを食し、午後1時過ぎの飛行機で帰国の途についたのでした。別れ際、ホスト役の益山さんが「あなたたちをカンボジアに返したくない」と言うと彼らも「まだここにいたい。帰りたくない」といって別れを惜しんでいたのがとても印象的でした。

早めに空港について正解でした。まだそれほど混雑していません

日本最後の食事

名残惜しいですがお別れの時間です

ごく短い滞在ではありましたが、カンボジアの学生たちは日本の印象とここで学び、体験したことをそれぞれ胸に本国に帰っていったのでした。その経験が今後どのような形で活かされるのか、それはわかりません。しかし、純粋で真面目な彼らが今後成長していく過程において、今回の経験が何らかの形で活きてくることは十分考えられることです。願わくば、それが彼らの学業や社会貢献において多少なりともポジティブな影響を与えてほしいものです。

最後にホスト役である益山ご夫妻をはじめとして、学生たちのためにさまざまな形でご協力いただいた方々に深くお礼申し上げます。みなさまの厚意はきっと彼らの心の奥深く刻み込まれたことでしょう。ありがとうございました!


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